Shopify（ショッピファイ）とは？特徴・料金プラン・機能を徹底解説

Shopifyは世界175カ国で170万店舗以上が利用する、世界最大級のECプラットフォームです。2004年にカナダで創業したShopify社が提供するサービスで、ニューヨーク証券取引所に上場している大手グローバル企業です。デザイン性が高く、カスタマイズ性にも優れており、初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応しています。クラウド型で初期費用が不要、月額課金制というシンプルな料金体系も魅力的です。

日本国内でも徐々にユーザーが増え、2023年時点では約36,000店舗以上がShopifyを導入しています。通常の実店舗商品だけでなく、ダウンロード商材やドロップシッピングなどの販売にも対応しており、様々なビジネスモデルに適用可能です。

本記事では、これからECサイトの構築や切り替えを検討している方向けに、Shopifyの特徴や機能、料金プランについて詳しく解説します。

Shopifyの特徴とは？

Shopifyには他のECプラットフォームにはない特徴がいくつもあります。運用のしやすさやユーザーの使いやすさに加え、集客機能やセキュリティ対策など、ECサイト運営に必要な要素がバランスよく揃っています。ここでは主要な特徴について詳しく見ていきましょう。

運用のしやすさ

Shopifyはクラウド型（SaaS型）のECプラットフォームで、専門的な知識がなくても簡単に運用できるのが大きな特徴です。管理画面は直感的に操作でき、商品登録や在庫管理、注文処理などの基本機能が充実しています。

システムのアップデートは自動で行われるため、常に最新の機能を利用できます。これにより、システム管理の手間やコストを大幅に削減することができるのです。

また、多言語対応や複数通貨対応など、グローバル展開を視野に入れた機能も標準で備わっています。管理画面から簡単に設定できるため、越境ECへの挑戦も容易です。

さらに、モバイルアプリも提供されているため、外出先からでも注文管理や在庫確認が可能です。これにより、時間や場所を問わずビジネスを管理できる柔軟性が生まれます。

ユーザーの使いやすさ

Shopifyは顧客体験を重視した設計がなされており、ユーザーにとって使いやすいECサイトを構築できます。豊富なテンプレートを提供しており、デザイン性の高いECサイトを簡単に構築できるのが魅力です。

レスポンシブデザインに標準対応しているため、スマートフォンやタブレットなど、どのデバイスからのアクセスにも最適化されています。これにより、モバイルショッピングの増加にも対応できます。

商品検索機能やフィルタリング機能も充実しており、顧客が求める商品を素早く見つけられる環境を提供します。また、チェックアウトプロセスもシンプルで、複数ステップに分かれており、顧客が混乱せずに購入を完了できるよう設計されています。

さらに、顧客アカウント機能により、リピート購入も容易になります。過去の注文履歴や配送先情報を保存できるため、次回の購入がスムーズに行えるのです。

集客に役立つ機能

Shopifyには集客を助ける機能が数多く搭載されており、オンラインストアへの訪問者を増やし、売上向上に貢献します。SEO対策ツールが標準装備されており、商品ページや説明文のSEO設定を簡単に行えるため、検索エンジンからの自然流入を促進できます。

ソーシャルメディア連携機能も充実しており、FacebookやInstagramなどのSNSと連携したショッピング体験を提供できます。これにより、SNSユーザーを直接ECサイトへと誘導することが可能です。

リピーター対策としては、ポイントシステムやメンバーシップ機能、クーポン発行システムなどのアプリを追加導入することで、顧客満足度を高め、リピート率を向上させることができます。顧客セグメントに基づいたターゲティングメールも送信可能で、パーソナライズされたマーケティングが実現します。

また、放棄カート自動メール機能により、購入途中で離脱したユーザーに対してリマインドメールを送信し、コンバージョン率の改善が図れます。アップセルやクロスセル機能も活用して、顧客単価の向上が可能です。

セキュリティ対策

Shopifyはセキュリティ面でも高い評価を受けており、安全なECサイト運営を実現します。SSL暗号化通信が標準装備されており、クレジットカード情報などの顧客データを安全に保護します。全てのページでSSL証明書が適用されるため、サイト全体が保護された状態で運用できます。

クレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠しているため、安心して決済機能を利用できます。これにより、クレジットカード情報の取り扱いに関する厳格な基準を満たしていることが保証されます。

二段階認証機能も備わっており、管理画面へのログイン時にSMSやメールアドレスを利用した二段階認証を導入できます。これにより、不正アクセスのリスクを大幅に減らすことが可能です。

さらに、外部のホワイトハッカーによる定期的なセキュリティチェックも実施されており、潜在的なセキュリティホールの早期発見と対応が行われています。バックアップやリカバリーシステムも整備されており、万が一の場合にもデータを保護する体制が整っています。

Shopifyの詳細とは？

Shopifyの基本情報をテーブルにまとめました。月額料金や初期費用、利用可能な決済方法や主な機能、連携可能なPOSシステムなど、導入を検討する際に重要なポイントを一覧で確認できます。

Shopifyのプランごとの特徴

Shopifyには複数のプランが用意されており、ビジネスの規模やニーズに合わせて選択できます。ここでは各プランの特徴と料金、どのようなビジネスに適しているかを解説します。

Shopify Liteプラン

Shopify Liteプランは、月額$9（約1,350円）で利用できる最も手頃なプランです。このプランは独立したECサイトの構築はできませんが、既存のウェブサイト、ブログ、SNSに「Buy Button（購入ボタン）」を設置できる機能を提供しています。

Shopify Liteでは、Facebook上でのショップ機能も利用可能で、FacebookページでShopify商品を直接販売することができます。また、基本的な在庫管理や注文処理機能も含まれており、小規模な販売活動を始めるのに適しています。

対面販売のためのShopify POSライト版も利用でき、実店舗とオンライン販売を連携させることが可能です。インボイスの作成や顧客管理といった基本機能も備わっています。

Shopify Liteは、既にウェブサイトやブログを持っている個人や小規模ビジネスが、フルのECサイトを構築せずに販売機能を追加したい場合におすすめです。コストを抑えながらオンライン販売を始めたいと考えている方に最適なプランです。

Shopify Basicプラン

Shopify Basicプランは、月額$29（約4,850円）で利用できる基本的なECサイト構築プランです。このプランから完全なオンラインストアの構築が可能となり、独自ドメインの利用やSSL証明書の発行も含まれています。

Basicプランでは、スタッフアカウントが2つまで作成でき、少人数でのECサイト運営に適しています。基本的なレポート機能や在庫管理ツールも利用可能で、小規模なECビジネスの運営に必要な機能が一通り揃っています。

Shopifyペイメントを利用した場合の販売手数料は3.55%で、その他の決済サービスを利用する場合は2.0%の追加手数料がかかります。商品数に制限はなく、無制限に商品を登録することができます。

Shopify Basicプランは、ECサイトの運営を始めたばかりの個人や小規模ビジネス、月間の注文数が比較的少ない場合におすすめです。コストを抑えながらも、プロフェッショナルなECサイトを構築したい方に最適なプランです。

Shopify（スタンダード）プラン

Shopify（スタンダード）プランは、月額$79（約13,500円）で利用できる中級プランです。このプランでは、Basicプランの機能に加えて、より高度な機能が利用可能になります。

スタッフアカウントは5つまで作成でき、チームでの運営がしやすくなります。また、カスタム配送料の設定が可能になり、地域や購入金額に応じた配送料の設定ができるようになります。

より詳細なレポート機能が追加され、商品分析や顧客行動分析などが可能になります。販売手数料もBasicプランよりも低く、Shopifyペイメントの場合は3.4%、その他決済サービスの場合は1.0%の追加手数料となります。

Shopify POSの高度な機能も利用できるようになり、実店舗とオンラインストアの連携がよりスムーズになります。ギフトカード機能も標準で利用可能になるため、顧客の購買オプションが広がります。

Shopify（スタンダード）プランは、ビジネスが成長し始めた中小企業や、月間の注文数が増えてきた場合におすすめです。特に、実店舗とオンラインストアの両方を運営している場合に、そのメリットを最大限に活かせるプランです。

Advanced（プレミアム）プラン

Advanced（プレミアム）プランは、月額$299（約58,500円）で利用できる上級プランです。このプランは、大規模なECビジネスや成長中の企業向けに設計されています。

スタッフアカウントが15まで作成でき、大人数でのサイト運営が可能になります。また、高度なレポート機能とレポートビルダーが利用可能になり、カスタマイズされた詳細な分析が行えるようになります。

第三国間配送の設定が可能になり、国際的なECビジネスの運営がよりスムーズになります。また、販売手数料も最も低く設定されており、Shopifyペイメントの場合は3.25%、その他決済サービスの場合は0.6%の追加手数料となります。

計算された配送料機能も利用でき、配送業者のAPIと連携して正確な配送料を自動計算することが可能です。さらに、高度な価格設定機能も備わっており、卸売価格や顧客グループごとの価格設定などが行えます。

Advanced（プレミアム）プランは、月間の注文数が多い中堅企業や、国際的な販売を行っている企業におすすめです。詳細な分析やレポートを重視する企業や、複数のスタッフで運営する大規模なECサイトに最適なプランです。

Shopify Plusプラン

Shopify Plusプランは、大企業や高成長企業向けのエンタープライズレベルのソリューションで、月額$2,000（約370,000円）以上から利用できます。売上に応じた従量課金制の料金体系も選択可能です。

このプランでは、他のプランで提供される全ての機能に加え、カスタマイズ性や柔軟性が大幅に向上します。スタッフアカウント数は無制限となり、組織全体でのECサイト管理が可能になります。

Shopify Plusの大きな特徴は、専任のサクセスマネージャーが付くことです。技術的なサポートはもちろん、ビジネス成長のためのアドバイスも受けられます。また、API呼び出し制限の緩和により、大量のデータ処理や高トラフィックにも対応できます。

チェックアウト画面の完全カスタマイズが可能になり、ブランドイメージに合わせた購入体験を提供できます。さらに、複数のオンラインストアを1つのアカウントで管理できるため、地域ごとや事業部ごとのストア運営が効率化されます。

高度な自動化ツール「Shopify Flow」も利用可能で、在庫管理や顧客対応などの業務を自動化できます。販売手数料も最も低く設定されており、Shopifyペイメントの場合は2.9%、その他決済サービスの場合は0.2%の追加手数料となります。

Shopify Plusプランは、年間売上が数億円以上の大規模企業や、急成長中のDtoCブランド、複数の国や地域で事業を展開している企業におすすめです。カスタマイズ性と拡張性を重視し、ブランド独自の購入体験を提供したい企業に最適なプランです。

Shopifyを導入する際の注意点

Shopifyは優れたECプラットフォームですが、導入する際にはいくつかの注意点があります。ここでは、よくある失敗例と対策について解説します。

集客方法の事前検討不足

Shopifyでは、ECサイトを構築しただけでは集客は自動的に行われません。多くの場合、ECサイトを立ち上げただけでは訪問者が少なく、売上につながらないという問題が発生します。

この問題を解決するためには、事前に集客戦略を立てることが重要です。SEO対策やSNSマーケティング、広告出稿などの集客方法を検討し、計画的に実施することで、サイトへの訪問者を増やすことができます。

Shopifyには基本的なSEO設定機能が備わっていますが、競争の激しいキーワードで上位表示を目指すには、コンテンツマーケティングやバックリンク獲得などの追加施策が必要になることも多いです。

また、SNSとの連携機能を活用して、InstagramやFacebookなどのSNSからの誘導を強化することも効果的です。Shopifyアプリストアには、集客を支援する様々なアプリも用意されていますので、目的に合ったアプリを導入することも検討しましょう。

顧客対応体制の整備不足

ECサイトでは、顧客からの問い合わせや注文に対する迅速な対応が重要です。しかし、Shopifyでは顧客対応のための体制整備が不十分だと、顧客満足度の低下やリピート率の減少につながる可能性があります。

この課題に対しては、チャットサポートや問い合わせフォーム、FAQ機能などを活用して、顧客が疑問や不安を解消できる仕組みを整えることが大切です。Shopifyアプリストアには、顧客サポートを強化するアプリも多数あります。

また、注文確認や発送通知などの自動メールテンプレートをカスタマイズして、顧客とのコミュニケーションを強化することも効果的です。リアルタイムのチャットサポートを導入することで、購入前の疑問をすぐに解消し、コンバージョン率の向上につながる場合もあります。

特に日本市場では、丁寧な顧客対応が求められるため、日本語でのサポート体制を整えることも重要です。Shopifyの管理画面は英語が中心ですが、日本語化アプリを利用することで、スタッフの操作ミスを減らすことができます。

システム連携の問題

Shopifyは外部サービスとの連携が可能ですが、連携設定が適切でないと、在庫管理や顧客データの同期に問題が生じる可能性があります。特に基幹システムや会計システムとの連携では注意が必要です。

この問題を解決するには、事前に必要な連携先を洗い出し、適切なアプリやAPI連携の方法を検討することが重要です。Shopifyのアプリストアには多数の連携アプリが用意されていますが、すべてのシステムに対応しているわけではありません。

カスタム開発が必要な場合は、Shopify APIに精通した開発パートナーと協力することで、スムーズな連携を実現できます。また、データの自動同期の頻度や方法についても事前に確認し、運用フローを整備しておくことが大切です。

特に複数のシステムを連携する場合は、データの整合性を保つための仕組みが必要です。定期的なデータチェックやバックアップの仕組みを整えることで、トラブル時のリスクを最小限に抑えることができます。

英語スキルの必要性

Shopifyの管理画面は英語が基本であり、一部は日本語化されているものの、最新機能やアップデート情報は英語で提供されることが多いです。これにより、英語が苦手なスタッフにとっては操作が難しく感じる場合があります。

また、Shopifyのサポートに関しても、一部の質問は海外対応になるため、英語でのコミュニケーションが必要になることがあります。特に技術的な問題や複雑な質問の場合、日本語サポートだけでは解決しないケースもあります。

この課題に対しては、日本語化アプリを導入して管理画面を日本語表示にすることで、スタッフの操作負担を軽減できます。また、Shopifyの日本語コミュニティやフォーラムを活用して、日本語で情報交換や問題解決の糸口を見つけることも可能です。

重要なのは、英語が必要になる場面があることを事前に認識し、対応策を準備しておくことです。社内に英語ができるスタッフを配置するか、Shopifyに精通した外部パートナーと協力関係を築いておくことで、言語の壁による問題を最小限に抑えることができます。

運用コストの見極め

Shopifyは初期費用が不要で月額課金制という手軽さがある一方で、ビジネスの成長に伴って運用コストが予想以上に高くなる可能性があります。基本料金に加えて、各種アプリの利用料や決済手数料などが発生します。

特に多くの機能追加アプリを導入すると、月々のコストが増加します。アプリの中には月額数万円するものもあり、複数導入すると基本料金よりも高額になることも珍しくありません。

この問題に対しては、導入前に必要な機能を明確にし、本当に必要なアプリだけを選定することが重要です。また、類似機能を持つ複数のアプリを導入せず、統合的な機能を持つアプリを選ぶことでコスト削減が可能です。

定期的にアプリの利用状況を見直し、使用頻度の低いアプリは解約するなど、コスト管理を徹底することも大切です。また、売上規模に応じてプランを見直し、最適なプランを選択することでコストパフォーマンスを高めることができます。

まとめ

Shopifyは世界175カ国で170万店舗以上が利用する、世界最大級のECプラットフォームです。クラウド型の月額課金制で初期費用が不要なため、比較的低コストでECサイトを立ち上げることができます。

Shopifyの最大の特徴は、使いやすさとカスタマイズ性のバランスが優れている点です。専門知識がなくても基本的なECサイトは簡単に構築できますが、豊富なアプリやテーマを活用することで、高度にカスタマイズされたショップも実現可能です。

また、越境ECに強いという特徴もあり、50以上の言語と130カ国以上の通貨に対応しているため、グローバル展開を視野に入れたビジネスに最適です。セキュリティ面では、SSL暗号化通信やPCI DSS準拠など、高水準の安全対策が施されています。

Shopifyには複数のプランが用意されており、Liteプラン（約1,350円/月）から大企業向けのShopify Plus（約370,000円/月〜）まで、ビジネスの規模やニーズに合わせて選択できます。それぞれのプランで利用できる機能や制限が異なるため、自社のビジネスに最適なプランを選ぶことが重要です。

Shopifyを導入する際には、集客方法の事前検討や顧客対応体制の整備、システム連携の確認などが重要です。また、英語スキルが必要になる場面があることや、アプリの追加による運用コストの増加にも注意が必要です。

これらの注意点をしっかりと踏まえた上で導入すれば、Shopifyは多くのビジネスにとって強力なECプラットフォームとなります。特に、デザイン性の高いECサイトを手軽に構築したい、グローバル展開を視野に入れている、豊富なアプリを活用して機能拡張したいといったニーズを持つ企業に適しています。

EC市場の競争が激化する中、Shopifyの柔軟性と拡張性は、変化するビジネス環境に対応する強力なツールとなるでしょう。導入前には無料トライアル期間も用意されていますので、まずは実際に試してみることをおすすめします。