美歴(ビレキ)とは?美容サロン向けPOSシステムの特徴・料金・機能を徹底解説

美歴(ビレキ)は、美容室やエステサロン向けに特化したPOSシステム・電子カルテシステムです。電子カルテ機能やカウンセリングシート、同意書のオンライン化により、施術前後の顧客情報を効率的に管理できます。クラウドシステムのため、インターネット環境とPCやタブレットがあればすぐに利用可能で、初期費用は0円から、月額費用は8,800円からとなっています。

また、予約管理や売上分析、LINEとの連携やSquare決済との連携など、サロン運営に必要な機能が豊富に揃っており、IT導入補助金の対象にもなっているため、導入コストを抑えることも可能です。美歴は「美歴サロンワークステーション」「美歴forBusiness」「美歴アプリ」の3つのサービスを組み合わせて、顧客情報管理から予約、会計、アフターフォローまで一気通貫でサロンワークをトータルサポートします。

美歴の特徴とは?

美歴は、美容サロン専用に開発されたPOSシステム・電子カルテシステムです。電子カルテ機能によって顧客情報を詳細に管理でき、1回の施術で最大9枚の写真登録や手書きメモ機能も搭載しています。予約システムはカルテやレジと連動しており、大手予約ポータルサイトとの連携機能によりダブルブッキングを防止できます。

また、LINEとの連携機能も2024年に追加され、予約やリマインド通知、来店後のフォローなどがLINE上で完結できるようになりました。さらに、Squareターミナルとの連携により、キャッシュレス決済もスムーズに行えます。美歴は単なるPOSレジではなく、カルテ管理から予約、会計、顧客フォローまで一貫して管理できる「サロンワークステーション」として進化しています。

予約システムの機能

美歴の予約システムは、顧客管理とレジ機能に完全連動しています。予約表から予約情報を引き継いでレジ画面に移動し、そのままお会計を行うことができるため、スタッフの手間が大幅に削減されます。

また、大手予約サイト(ホットペッパー、楽天ビューティーなど)との連携機能により、外部サイトからの予約も美歴上で一元管理できます。予約サイトに登録された予約が自動で美歴に反映されるため、ダブルブッキングを防止し、予約管理の効率化が図れます。

さらに、Web予約フォームのオプションを利用すれば、サロン独自の予約フォームを作成でき、デポジット(予約金)機能やキャンセル待ち機能も利用できます。予約情報はスタッフ用アプリ「美歴forBusiness」でいつでも確認できるため、出勤途中などの空き時間を有効活用して顧客情報を確認することも可能です。

顧客管理の機能

美歴の顧客管理システムは、電子カルテを中心に構築されています。スタッフのスマートフォンから簡単に顧客情報の登録・検索・編集が可能で、1施術あたり最大9枚の写真登録や手書きメモ機能にも対応しています。

また、カルテとリンクした「Webカード」というデジタルカウンセリングシート機能により、紙のカウンセリングシートや同意書をデジタル化できます。設問は全てカスタマイズでき、手書き署名にも対応しているため、アイラッシュやエステなどの同意書が必要な業態にも最適です。

さらに、施術記録はカスタマー向けアプリにも共有できるため、顧客満足度向上にも繋がります。グループ内の複数店舗間でもカルテ情報を共有できるため、顧客が別店舗に行っても同じレベルのサービスを提供できます。セキュリティ面も考慮されており、営業時間外のカルテ閲覧制限や、スマホ紛失時の強制ログアウト機能なども備えています。

LINEとの連携は可能か?

美歴は2024年にLINE連携機能を大幅に強化しました。美歴のWeb予約フォームがLIFF(LINE Front-end Framework)に対応し、LINE上で予約受付ができるようになりました。LINE連携している予約フォームから予約したお客様のLINEアカウントと美歴のカルテ情報が紐づくため、2回目以降は個人情報の入力なしでLINE上での予約が可能です。

また、予約リマインド通知や来店御礼、レビュー依頼、次回来店おすすめ日のお知らせなど、様々な通知を自動で配信することができます。文面や通知タイミングも店舗側で自由に設定可能で、顧客とのつながりを深める機会創出が容易になりました。

さらに、LINE経由ではない予約も同時に受け付けられるため、LINEを使用しない顧客へも対応できます。この機能により、従来のLINE公式アカウントでのメッセージ配信よりも効率的かつ低コストに顧客とのコミュニケーションが取れるようになり、多くのサロンで活用されています。

美歴はどのような店舗におすすめか?

美歴は、顧客情報の詳細な管理を必要とする美容室やエステサロン、アイラッシュサロン、ネイルサロンなどに特にお勧めです。特に、紙のカルテやカウンセリングシートの管理に悩んでいる店舗や、複数の予約ポータルサイトの一元管理を求めている店舗に最適です。

また、写真付きの施術記録を重視するヘアサロンや、施術前のカウンセリングや同意書が必須となるエステやアイラッシュサロンにとって、美歴の電子カルテ機能やWebカードは大きなメリットとなります。さらに、複数店舗を展開し、店舗間での顧客情報の共有が必要な企業にも適しています。

スタッフ数が少ない個人サロンから、複数店舗を展開する中規模サロンまで、規模に合わせたプランが用意されているため、幅広いサロンに対応可能です。特に、デジタル化を進めてサービス向上と業務効率化を同時に実現したいサロンオーナーに最適なシステムといえるでしょう。

電子カルテ機能で詳細な顧客管理を実現したいサロン

美歴の電子カルテ機能は、顧客ごとの施術履歴を詳細に記録できるため、個々のニーズや好みに基づいたパーソナライズされたサービス提供が可能になります。施術前後の写真や施術メモをスマホで簡単に登録できるため、次回来店時に前回の施術内容を瞬時に確認できます。

また、カラー剤の調合内容やエクステの付け方など、専門的な技術情報も写真や手書きメモで記録できるため、どのスタッフが担当しても一定のクオリティを保つことが可能です。特に技術力の向上と顧客満足度を重視するサロンにとって、電子カルテ機能は非常に有効です。

さらに、収納スペースに悩まされることなく、無制限に顧客データを保存できるため、長期的な顧客関係構築にも役立ちます。万が一のトラブル発生時にも、過去の施術データを確認できるため、迅速かつ適切な対応が可能となり、顧客からの信頼獲得にも繋がります。

予約管理の効率化を図りたいサロン

複数の予約経路(電話、ホットペッパー、楽天ビューティー、SNSなど)からの予約を一元管理したいサロンにとって、美歴の予約管理機能は非常に有効です。外部予約サイトとの連携機能により、様々な経路からの予約を自動的に美歴に取り込み、ダブルブッキングを防止します。

また、予約表とカルテ、レジシステムが連動しているため、予約情報から顧客のカルテを開いたり、そのまま会計処理に移行したりと、業務の流れがスムーズになります。スタッフ用アプリでは予約に紐づいたカルテ情報がすぐに確認できるため、事前準備も効率的に行えます。

さらに、2024年に追加されたLINE連携機能により、予約リマインドの自動送信などが可能になり、キャンセル率の低減も期待できます。デポジット機能や予約キャンセル設定のカスタマイズにも対応しているため、サロンの運営方針に合わせた柔軟な予約管理が可能です。

キャッシュレス決済をスムーズに導入したいサロン

美歴は、Squareターミナルと連携したキャッシュレス決済を簡単に導入できます。美歴でお会計処理をすると、金額が自動でSquareターミナルに反映されるため、スタッフの手入力が不要で、金額の打ち間違いも発生しません。

また、レジ機能はカルテや予約表と完全連動しているため、どの顧客がどのような施術を受け、いくらの会計をしたかが全て紐づいて記録されます。これにより、顧客ごとの購入履歴分析や商品提案が容易になり、売上向上にも繋がります。

さらに、レシートはデジタル(Webレシート)にも対応しており、QRコードを提示して読み込んでもらったり、URLで送信したりすることも可能です。紙のレシートが必要な場合はレシートプリンタとの連携もでき、お店のロゴや顧客向けコメントも印字できるなど、柔軟な対応が可能です。

美歴の詳細とは?

美歴の詳細情報を以下のテーブルにまとめました。料金やIT導入補助金の対応状況、連携可能なシステムなど、導入検討に必要な情報を簡潔に記載しています。

項目詳細
月額個人サロン向け(Personalプラン):8,800円
スタッフ2名以上(Teamプラン):15,400円~
初期費用個人サロン向け(Personalプラン):0円
スタッフ2名以上(Teamプラン):44,000円~
IT導入補助金の利用○(最大補助率80%)
連携可能なキャッシュレス決済Square決済
連携可能な外部システムホットペッパー(サロンボード)、楽天ビューティー、かんざし、LINE

美歴はIT導入補助金の対象となるソフトウェアで、2024年のインボイス枠(インボイス対応類型)では最大80%の補助率が適用される場合があります。スタッフ5人以下の事業者で補助額50万円までの場合、補助率は80%となり、スタッフ6人以上では補助率75%となります。補助額が50万円を超える場合は補助率2/3となります。

また、パソコン・iPad・レシートプリンタなどのハードウェアも補助対象となり、補助率50%で20万円まで補助されます。ただし、レジとして使用するハードウェアに限定され、レシートプリンタなどのツールとセットで購入する1台が対象となります。

美歴のプランの違い

美歴には主に2つのプランがあり、サロンの規模に合わせて選択できます。個人サロン向けの「Personalプラン」とスタッフ2名以上のサロン向けの「Teamプラン」の違いを以下の表で比較しました。

項目PersonalプランTeamプラン
月額費用8,800円15,400円~
初期費用0円44,000円~
対象個人運営のサロンスタッフ2名以上のサロン
スタッフ追加オプション利用不可利用可能
店舗間共有×

Personalプランの特徴

Personalプランは、個人で運営するサロンに最適なプランです。初期費用が0円のため、開業時のコスト削減に役立ちます。月額費用も8,800円と比較的リーズナブルで、電子カルテや予約管理、レジなど基本的な機能は全て利用できます。

ただし、スタッフ追加オプションが利用できないため、将来的に従業員を雇用する予定がある場合は、Teamプランへの移行を検討する必要があります。また、複数店舗間での情報共有機能も利用できません。

個人サロンのオーナーが自身のサロンワークを効率化し、デジタル化を進めたい場合に最適なプランです。特に開業したばかりのサロンや、小規模運営を続ける予定のサロンにおすすめです。

Teamプランの特徴

Teamプランは、スタッフ2名以上のサロンや複数店舗を展開するサロンに適したプランです。初期費用は44,000円からとPersonalプランより高くなりますが、スタッフ追加オプションが利用可能で、サロンの規模に合わせた拡張ができます。

また、複数店舗間でのカルテ共有や予約情報の共有が可能となるため、顧客が別店舗に行っても同じレベルのサービスを提供できます。これにより、顧客満足度の向上やブランドの統一感を保つことができます。

さらに、予約状況やカルテ内容、売上データなどをスタッフ間で共有できるため、チームでのサロン運営がスムーズになります。スタッフの教育や技術向上にも役立ち、サロン全体のサービス品質向上に繋がります。

オプション機能の紹介

美歴の基本プランに加えて、サロンのニーズに合わせて以下のようなオプション機能を追加することができます。

  1. Web予約フォーム(月額4,400円):
    サロン独自のWeb予約フォームを作成できる機能です。デザインのカスタマイズやデポジット機能、キャンセル待ち機能なども利用できます。2024年にはLINE連携機能も追加され、LINE上での予約も可能になりました。
  2. サロンボード連携(月額3,300円):
    ホットペッパーのサロンボードと美歴の予約情報を自動で連携させる機能です。二重管理の手間を省き、ダブルブッキングを防止します。
  3. Webカード(月額5,500円):
    カウンセリングシートや同意書をデジタル化する機能です。質問項目は全てカスタマイズ可能で、手書き署名にも対応しています。美歴との連携により、入力された情報がカルテに自動反映されます。
  4. レジ明細オプション(月額1,650円):
    詳細なレジ明細の管理や分析が可能になります。売上データのCSV出力や税務報告用の帳票作成にも役立ちます。
  5. CSVダウンロードオプション(月額2,200円):
    顧客データや売上データなどをCSV形式でダウンロードできる機能です。外部の分析ツールとの連携や、バックアップ目的で利用できます。
  6. アプリカスタマイズ(料金要問い合わせ):
    カスタマー向けアプリ「美歴」を、サロン独自のアイコンやデザインにカスタマイズできるオプションです。ブランディング強化に効果的です。

美歴の業界ごとの注意事項

美歴は美容サロン向けに開発されたシステムですが、業態によって活用方法や注意点が異なります。各業界別の特徴と注意点を解説します。

ヘアサロンでの活用ポイント

ヘアサロンでは、カラー剤の調合内容や施術前後の写真をカルテに記録することで、次回以降の施術でも同じ仕上がりを再現しやすくなります。特に写真機能は、ヘアスタイルの微妙な変化を記録するのに最適です。

また、スタイリストとアシスタント間での情報共有にも美歴は効果的で、スマホアプリで過去の施術履歴を確認できるため、チームでの施術もスムーズに行えます。出勤途中などの移動時間を利用して、その日の予約客の過去の施術内容を確認できる点も大きなメリットです。

さらに、店販商品の購入履歴もカルテと紐づけて管理できるため、リピーターに対して適切な商品提案が可能になります。EC機能を活用すれば、来店しなくても店販商品を購入できる仕組みも構築できます。

エステ・アイラッシュサロンでの活用ポイント

エステサロンやアイラッシュサロンでは、施術前の同意書が重要となるため、「Webカード」オプションの活用が強く推奨されます。紙の同意書の管理が不要になり、デジタルで効率的に保管・管理できます。手書き署名にも対応しているため、法的要件も満たせます。

また、来店前にカウンセリングシートをLINEやメールで送信し、事前に回答してもらうことで、サロン滞在時間の短縮も可能です。回答内容は電子カルテと自動連携するため、施術前の準備もスムーズになります。

さらに、施術で使用したエクステの長さやカールの種類などの情報も写真や手書きメモで記録できるため、次回施術時の参考になります。リピート率の高いエステやアイラッシュサロンでは、顧客情報の詳細な管理が売上向上に直結します。

ネイルサロンでの活用ポイント

ネイルサロンでは、デザインのサンプルや使用した材料を写真で記録することで、リピーターに対して前回と同じデザインの再現や、新たなデザイン提案がしやすくなります。1回の施術で最大9枚の写真が登録できるため、複数の角度からネイルデザインを記録できます。

また、ネイルサロンでは手書きメモ機能も有効活用できます。使用したカラーの番号や特殊なテクニックなどを手書きで記録することで、文字入力の手間を省けます。施術中の空き時間(例えばジェルの硬化時間中など)に写真撮影やメモを行うことで、効率的なカルテ作成が可能です。

さらに、季節や流行に合わせたデザインの提案をLINE連携機能を使って配信することも可能です。カスタマー向けアプリを通じて施術写真を共有することで、SNSでの発信も促進でき、新規客獲得にも繋がります。

複数店舗展開サロンでの活用ポイント

複数店舗を展開しているサロンでは、Teamプランを選択することで店舗間での顧客情報の共有が可能になります。顧客が別店舗に行っても同じレベルのサービスを提供できるため、顧客満足度の向上と店舗間の均一なサービス提供が実現します。

また、グループ内で共通のポイントシステムを運用できるため、顧客は任意の店舗でポイントを貯めたり、使ったりすることが可能です。これにより、グループ内での相互送客も促進されます。

しかし、個人情報管理の観点から、スタッフの権限設定には注意が必要です。美歴では営業時間外のカルテ閲覧制限や、スタッフごとの閲覧権限設定などセキュリティ機能も充実しているため、適切に設定することで安全な情報共有が可能です。

まとめ

美歴は、美容サロン向けに特化したPOSシステム・電子カルテシステムで、カルテ管理、予約管理、会計、顧客フォローまで一貫してサポートします。クラウドベースのシステムのため、初期投資を抑えつつ、スマホやタブレットで簡単に操作できるのが特徴です。

施術写真や顧客情報の詳細な管理が可能で、LINEやSquareとの連携、大手予約ポータルサイトとの連携など、サロン運営をトータルでサポートする機能が充実しています。IT導入補助金の対象にもなっているため、最大80%の補助を受けられる可能性があり、導入コストを大幅に抑えることも可能です。

また、個人サロン向けのPersonalプランと、スタッフ2名以上のサロン向けのTeamプランが用意されており、サロンの規模に合わせた選択ができます。さらに、Web予約フォームやWebカード、サロンボード連携などのオプション機能も豊富にあるため、サロンのニーズに合わせてカスタマイズすることができます。

業態によっても活用方法は異なり、ヘアサロンでは施術前後の写真記録、エステやアイラッシュサロンではデジタル同意書、ネイルサロンではデザインサンプルの管理、複数店舗展開サロンでは店舗間情報共有など、それぞれに最適な使い方があります。

美容サロンのデジタル化を進め、業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現したいサロンオーナーにとって、美歴は強力なツールとなるでしょう。特に、電子カルテの導入によるペーパーレス化や、LINEとの連携による顧客コミュニケーションの強化など、時代のニーズに合った機能が充実している点が大きな魅力です。

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